翌日が休日の真夜中、ふと一人で起きて本を読んだり、ラジオを聞いたりしながらぼんやり色々なことを考えるのが好きだった。
しかし実際の生活では子供が生まれて、この年になるまでそんな悠長な時間はなかった。
子供たちはそれぞれの生活を見つけ、それぞれの道を歩き始めた今、やっと念願のひとときが生まれる。
フラナリー・オコナー、ガルケスの本をめくりながら、観てもいないのにテレビのメジャーリーグ中継をつける。
ハイボールをちびちび飲みながら、少し空いた寝室から、寝ついたばかりの妻の寝息が聞こえる。
真夜中の鼎談。
頭の中で、トオルーマン・カポーティの”Thing nothing thing,Thing winds”がこだまする。
一方の頭でまるで呪文を唱えたようなカサンドラ・ウィルソンの歌声が聞こえる。
左指に出来た真新しい硬いタコをみながら、何年ぶりだったかふと考えてみる・・・
夜の帳は素敵な時間だ。
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