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2009年1月21日水曜日

白州次郎と白州正子展







戴いたチケットで横浜そごう美術館の「白州次郎と白州正子展」を見に行ってきました。

拝観の前に同建物にある老舗うなぎ屋にて瓶ビール、うな丼、白焼きを食しました。

あれ?!?!銀座の 本店と違う?!?!妻の「墨汁の味がする」残念ながらその通りです。天然物は時折強い臭みを出すものもあるのですが、焼きがしっかりして、その後の蒸しが丁度良いとその臭みは消えてしまいます。これは焼きが甘すぎます。お店によって味は確かに違いがありますが、これじゃ話になりません。妻の「ララポートのI定のほうが美味しい!」納得です。私はうなぎの骨を歯に挟んだまま、いよいよ展覧会です。

白州次郎氏についての本は数冊読んだこともあり、彼の「プリンシプル」を貫徹した生き方や「ダンディズム」には大変共感していましたが、正子女史についてはあまり知識を持ちえていませんでした。

それにしても、次郎氏の遺品は大変少なく、私のように歳を重ねる度に多くなる所在を自省するものです。

展覧会というのは、沢山の展示品を網羅するものと、数点の展示品でその人なりをクローズアップさせる方法がありますが、まさに今回の展覧会は後者で、正子女史の審美眼、家庭の様子が手に取るように見ることが出来ました。彼女の器についての審美眼は次のような言葉に代表されるような気がします。

☆「長い事使ってみなければわからない」
☆「作り手のぬくもののようなものが伝わる」
☆「完成されたものは、うつくしいけれど旬=いきおいが感じられるものもまた楽しい」
☆「所在がわかるより分からないほうが適当で面白い」

当然器は織部や黄瀬戸など土の風合いのものが好まれていたようです。
展示物の中に「呼兼茶碗」(よびつぎ)というものがありました。古い割れた茶碗を繋ぎ合わせて再生したものです。正子女史は好んでいたとのことですが、私は幼い頃父親が「呼兼」といって弥生式土器や茶碗を繋ぎ合わせていた事を思い出しました。
白洲家の食卓の様子も再現されており、ワイン(マルゴーとロートシルトがおいてありました)とローストチキン、お正月のお節料理などこんなものを食していたのかと、ついつい興味を持ってしまいました。帰りがけに長女が著した「白洲家の夕餉」という写真付きの本も購入しました。俯瞰すると白州家の食卓は食材を直球で料理した、豪快でシンプルなものが多いようです。(Sママより教えていただいたチキンのガーリック蒸し焼きも載っていました、Sママ是非今度拝見下さい)

そうそう、軽井沢で白州家が通っていたロシア人のレストランすでに20年以上前に入った記憶があります。今はわかりませんが、ロイヤルブルーの目をした老人が美味しい料理を出してくれました。とても素敵なお店だったと記憶しています。
今度、本の中にある鯛の黒寿司を皆様にお作りします。美味しそうです。
晩年、次郎氏が逝去する数日前まで妻正子女史との旅を楽しんでおられたようです。「せっかちな次郎氏と遠回りして見たいのんびりの正子」だったらしく、この組み合わせでもどうやら問題はないようです。
本日の我が家の夕餉はこちらのそごう地下で買った美味しいお豆腐を使って、「湯豆腐」「独活と鶏肉のわさび和え」「スナックインゲンの鶏そぼろ」です。一緒に買った台湾の腸詰結構もイケマシタ。






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