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2009年12月12日土曜日

丸山眞男講義録 「葉隠」 「他者感覚」

マイスモールブームの丸山眞男です。今頃になって何故丸山眞男かというと、私たちが大学に入学したころにはやや過去の人といった感じがしていたからです。Rパパの学生時代にはアイドルそのものだったようです。そして彼の研究室や講義には行列が出来たほどと言っていましたが、残念ながら私はよく読んでいません。

後になって吉本隆明氏が批判した「上空飛行的思考」とか「理論的破綻」「ブルジョワジーの綺麗事」といった言葉のみが先行し、よく読んでいないからです。

読み返しながら思ったのは和辻哲郎氏西田幾多郎氏の「場所」「間柄」の哲学が「主体性」を周りから考え定義するのに対して、真正面から「主体性」にぶつかっていったそんな真摯さをあらためて感じられました。そしていくつもの仮説を立てますがその都度理論的に崩壊し、自らを傷つけていく。そして「主体性を超えたものとの関わりでしか主体性は生まれない」という考えが生まれたのではないでしょうか。

彼は「葉隠」を武士道の能動的主体性としてとりあげ最終的には能動的個人主義=近代化をもたらすエートスとしてとらえていますが、「葉隠」が実用的手引書としてのハウツー本的性格(戦中は逆にその一部を利用した忠誠心を煽る)であると思っている私には受け入れることには抵抗がありました。

まだ講義録を俯瞰しているに過ぎませんが、さらに熟読し、「自己内対話」をしていきましょう。自己内対話が出来なければ多重人格障害ですから。

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京都学派の「間柄」「場所」からの主体性論も、丸山の主体性論も位相幾何学的にはドーナッツとコーヒーカップが同じであるように同じもののような感じがしてきました。

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