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2010年9月2日木曜日

日本人のアイデンティティ 親米感情

日本ほど親米感情の割合の高い国は見当たらない。様々な統計でそのような数値がものがたっている。日米安保の60年代でも他の国と比べてその親米率は最も高いからだ。

日本人のアイテンティティは太平洋戦争の敗戦によって一端リセットされた。我々はどのようにして現在の日本人のアイデンティティを確立した(確立したかどうか分からないが)のであうか。

イラク撤収を始めたアメリカであるが、私はそれが失敗するだろうと個人的感想を持つ。何故なら、戦後の日本とアメリカニズムを考えた場合には、日本のそれは大方補完的であり、基地、占領と言う暴力の象徴を別物にすり替えることが出来た。しかし、イラクは空白のままなのだ。

日本の米軍施設は日比谷から東京の南さらに神奈川にかけて集中した。GHQの本部と基地をつなぐ一帯である。

原宿、日比谷、麻布界隈にはこうした米兵相手のレストランやバーが多く存在した。もちろん横浜にも湘南にもあった。いつしかそれらは若者にとってアメリカ的眼差しを持つ文化的アイデンティティーのアイロニーに変化していったのだ。そう漸次的にまるで絵具が広がっていくように。

日本製品がアメリカで評判が良いということも言い換えればアメリカニズムの表象である。

基地、占領と言う暴力からアメリカとしての眼差しを持つ稀有な心証を持った国民に変貌していったのである。

イラクやアフガニスタンがそうなるならばアメリカの新派は増えるだろう、しかし現実には戦後の日本のようにアメリカを内包することは出来ないであろう。

もっと詳しく考えてみたい人は私も参考になった以下の本をお薦めする。著者は確か数年前まで東京大学にある理系も文系も統合したような大学院である、情報学環長を務めていた人である。


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