このブログを検索

2010年12月10日金曜日

エレノア・ロッシュ 

この著作の作者のひとりでもあるエレノア・ロッシュは1970年代にプロトタイプ理論を提唱した人物です。ここでプロトタイプ理論について簡単に説明します。

プロトタイプ理論とは、言語学・認知心理学上の概念で、人間が実際にもつカテゴリーは、必要十分条件によって規定される古典的カテゴリーではなく、典型事例とそれとの類似性によって特徴づけられるという考え方であり、このようなカテゴリーをプロトタイプ的カテゴリーと呼ぶ。認知言語学の基本的なテーゼのひとつである。


たとえば「鳥」という語から想起されるのはカラスやスズメなどの空を飛ぶ小動物であり、ダチョウやペンギンなどは典型事例から外れている。典型性の差にもとづく現象は一般にプロトタイプ効果と呼ばれる。またこれに関連して、「鳥は飛ぶ」のように特別な文脈上の理由がないかぎりデフォルトとして仮定される状況は理想化認知モデルなどと呼ばれる。


プロトタイプ的カテゴリーの考え方は言語学上の概念自体にも適用される。例えば、名詞や動詞のような品詞も、境界は明確でなく、それぞれ典型的なメンバーと、非典型的・周辺的なメンバーをもつと考える。

以上ウィキペディアより抜粋

この著作の中で何が注目に値するのかといえば、自己と世界との循環的繋がりに対して西洋哲学が無視し続けていたものを仏教哲学の力を借りて、究明しようとしている点です。そしてやっと邦訳され発売された別書「U理論」も実はこのエレノア・ロッシュ達の思考を連綿と受け継いでいるものなのです。経営哲学において最も重要なことは内省と外省の関わりを認めることです。過去の経験ばかりにとらわれ、認知バイアスにより物事の本質が歪められることは経営にとって最も恐ろしいディスアドバンテージです。その循環的関係を理解することは重要なテーゼです。

0 件のコメント: