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2010年12月11日土曜日

財政危機についての考察

現在、6冊の財政再建の是非についての両意見の書作を読んでいます。

大方読み終えてどちらが正しいとまで結論をつけることは出来ませんが、大きく分けて財政再建は必要ない、どんどん国債を増刷しても国家破綻には至らないという意見の多くは、国家のプライマリーバランスを家庭や企業の貸借対照表に例えて、負債ばかりでなく資産や資本に注目すべきとしています。

一方、財政再建推進は、日本の人口構成が従来と変化してきていること、大都市への一極集中とその反動による老齢化が急速に始まる点など、構造的変化に注目しています。

どちらにもそれぞれの理論を正当化する要素を別に持っていますが、私には国債増刷を唱える人の中には一昔前に金融機関が中小企業の社長に殺し文句として謳っていた「借金も資産ですよ」という言葉が思い返されます。結局、バブルの終焉=金づまり、になった訳です。

そういう人たちの多くが、過去の事例を分析して、高橋是清や明治の政策を拠り所のようにしていますが、グローバル化という変化の時代それらをそのまま当てはめようとするのはちと矛盾を感じます。

個人的には竹中氏がトーマス・フリードマンの「フラット化する世界」を引用して、今の日本は格差を認めず総フラット化を選んでいるようだと指摘している点はみごとな考察です。

トロント大のリチャード・フロリダのいう「スパイキーな世界」というとおり、フラット化とは対照的にメガリージョン(広域経済圏)にその富は集中しているといっています。

つまり、日本はこの「スパイキーな世界」目指すべきだといっているのです。

私もこの意見には大賛成です。フラット化を目指したら本当に大変なことになります。世界の富が均衡するということは日本の富は流出するのですから、これこそ危機的状況になります。

私たちのようなこれから社会保障費を使う恐れのある人間は、今までのような社会保障を受けられると思ってはなりません。結局それは次の時代の重荷になるからです。

頭が大きくなりすぎて、足腰の弱い日本なのですから・・・・

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