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2011年4月27日水曜日

メディア・リテラシー



以前、受け取る側のリテラシーについて日本人は相当考えなければいけないと書いたことがあります。今回はメディアについてです。

昨日、東北自動車道を使って宇都宮まで行ってきました。途中、災害支援の自衛隊員の姿が目立ちましたが特別災害派遣の荷物だけが多かった訳ではなく、道路は至ってスームスでした。

地震により損壊した建物の確認を終了し、当地でタクシー会社を経営しているH先輩(1年上のゼミ長)を訪ねました。

宇都宮には幾度と行っていますが今回初訪問です。

M&Aで経営の効率化を図りながら、宇都宮だけでなく他の都市でも営業所を有しており、県内では有数の規模です。数年前新築した社屋を訪れました。

話題が宇都宮で原発風評による乗車拒否というニュースが流れた事について聞いて見ると、それは先輩の会社だったらしいのですが、その内容はマスコミが言うものではなく、取材さえしていないいい加減なものでした。

当時に様子は安全確認というお題目のために東北自動車道は通行禁止にされており、物資を運ぶ車と被災地域から逃れてくる車で身動きの取れない状態だったようです。しかも、那須塩原駅では原発周辺から逃げてきた人達の車が百台近く乗り捨てられ、そのうえ政府から正確な情報は得られないままだったとのことです。

一方、一部のカメラマンやマスコミ、さらには被災地に向けての乗車により、一例では2日間全く乗務員と連絡が出来なかった事があるようです。途中給油も出来ず、本来なら厳格に安全のために決められている労働時間をはるかに超過したものでとても安全の確保など出来ない状態だったとのことです。

そのような中で安全確保のため長距離の運行を禁止することが乗車拒否にあたるのだとしたら、交通機関としての最優先課題である安全運航をないがしろにすることになってしまうとのことです。

むろん指導する役所は責任はとらないとのことです(ここが役所なんですね)

そして先輩が一番嘆いていたのは、例え他の省庁がそのような通達を出したとしても、当該監督庁の国土運輸省はこの安全運航を最優先にすると思っていたのが、そうではなかったことでした。

このように問題なのは我が国の政府も国民もある特定の事象が発生するとその中心の路線(今回は復興支援)からすこしでも外れるものはすべて間違いてあるかのように糾弾し、批判するそんな戦前、戦中を思わせる一元思考が蔓延っていることです。

先輩の家は高台にあり東北自動車道の様子は手に取るように分かるとのことでした。震災当日は別として特に被害を受けていない高速道路を通行禁止にしたことで、被災地に向けた物資はすべてボトルネック宜しく栃木県でストップしてしまい。ガソリン不足や物不足に繋がったというのは実のようです。確かに自衛隊や緊急用車両を通過させても通常の高速道路の通行量にくらべれば微々たるものなのですから、政府の判断は間違っていたと言わざるえません。

ダニエルカールさんが海外のメディアに向けてヒステリックにならないでと訴えていますが、今回の震災の対応を見て、政府首脳がこの手の判断が出来なかったような気がしてなりません。残念ながら・・

話は義援金や支援金の問題も及び最後には先輩が継続した被災者支援の方法として、震災孤児の基金設立の構想を語っておられました。私も同感です。先輩は、地元某国会議員の後援会長もされているので次回会ったら提言してみようとおっしゃっていました。そうです超党派で教育者中心に結成すれば、基金の設立からそれに向けての法整備を進められるのは国会議員だからです。

ところでこの乗車拒否のニュースが掲載された新聞はS新聞のみだそうです。テレビでは数社が流していましたがどこも情報ソースの確認をしていなかったようです。A新聞はその後の取材で、記事にするどころか逆記事を提案してきたそうですが、先輩は行政批判になる事を良しとしなかったようです。慧眼です。

やはり人間の器が違います。自己防衛ではなく、社員の安全とお客様の安全を守ることが最優先なのです。そのためなら、お役所ともやり会う覚悟を持った人なのです。改めてトップにたつ人の器量を考えました。

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