17年間通い続けたハワイでこれほどまでに日本の元気を感じなかったのは初めてです。
リーマンショック後も確かに金融危機の震源地であるアメリカ人よりも日本人の方が委縮していた以上に今回は日本がどんどんと相対的に弱くなっていると感じました。
タイムシェアを案内している日本人向けのデスクは既になく、視察しているのは中国人でした。
飛行機もホノルル~成田便にもかかわらず日本語字幕より中国語の方が多く、その事をさらに実感です。
一緒に行ったO氏はニュージャージーや上海に赴任経験があり、アメリカは日本以上に格差社会であり、ハワイに行ったことの無い人は多く居るけれど、日本人は社会的地位とは関係なく誰でも訪れているために極端に出るのではないかと言っていました。
確かにやっとこさハワイに行くことのできたアメリカ人にとっては景気なんて関係ないのでしょうね。
丁度、ホノルルからマウイに発つときに、APECのため各国の首脳が一番集中して降り立つ日でしたが、テレビでは我が国の首相の話題はほとんどなく、オバマ大統領、クリントン国務長官、温家宝首相がテレビに映っただけです。
大王製紙の問題に始まりオリンパスと日本の企業経営の脆弱性が指摘されていましたが、すでにそんな事は織り込み済みといった感じで、半ばあきらめムードの論調が気になりました。
ユーロ危機に対してもエコノミスト紙の特集ではもはや難破船は逃れられぬ宿命で、各国が救命艇に乗りその船から逃れようとしている風刺絵が掲載されていました。
物作り立国とか輸出主導の国だとか今までの古い慣習や歴史に囚われることなく、まずこの国の向かう先をきちんと灯りを照らして国民に説明しなければなりません。
トーマス・フリードマンがいうように世界はグローバリズムで繋がりました。ただ、それはフラットてはなかったのです。さらにアルピン・トフラーがいうように「富の未来」は決して公平なものではなく、政治、国際関係など様々な要素が重なり合い、互いに振動しながら、時には大きく爆発し、そうまさにConvergence=収斂していくのです。ただその結果がどのようになるのかまだ誰も予想する事が出来ないという事だけが分かっています。
経営者として注意しなければならないことは以前よりさらにスピードと変化に対する柔軟性が求められるということです。日本の税法のような古い考え方はそぐわなくなっています。減価償却制度などその典型で、長すぎる償却期間はその会社の足腰を弱くします。ほとんどのコストに対してサンクコストの意識を持つことか肝要てありましょう。
来年は"Speed""Flexibilty"が重要になりそうです。
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