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2009年12月10日木曜日

不可能な交換 ジャン・ボードリヤール


象徴交換と死」「シミラークルとシミレーション」は既読ですが、911以降のジャン・ボードリヤールの著作は初となります。


911で飛行機が高層ビルに突っ込むシーンを見ていてあの自爆テロが彼がいう所の「象徴交換と死」=逃げられない現実とカタストロフィーを暗示していたかのように思われました。そして本書が「不可能な交換」です。


さらに彼はルモンド特別寄稿しており、テロ対正義という2項対立的思考を厳しく咎めていました。


本書をまだ熟読していないので(この手は3回は最低必要ですから)わかりませんが、「ダイスマン」のところで面白いことを言っています。


「いずれにしても、プログラミングされてないものは、何一つコンピューターから出てこないのと同じように、精神のうちにあらかじめプログラミングされていないものは、何一つサイコロからでてこない。だから、サイコロの目的が一切固有の意思から自らを解放することだとしても、この挑戦は疑似餌にすぎない。あらゆる企ては疑似餌であり、欲望の月並みな偶然性に回帰するためには、わざわざサイコロを通過する必要はないのだ」


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その通りです。


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