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2009年10月22日木曜日

地方の再生

事務所でいつもの時間の朝食を終え、日経新聞を読みながら数年前にみた「ヨーゼフ・ボイス」の展覧会が水戸芸術館で開催されていることを知りながら。いきたいとはいえ「少し遠いな」と思いながら、デキャフェのコーヒーを入れてゆっくりしているところです。

都市と地方の格差が問題だと民主党はいっていますが「格差論」そのものに懐疑的な私としては滑稽であります。

少年期を北関東の街で生活していた身としても確かに中心部にシャッター通りが増えたことは事実です。私の育った街は写真家の武田花さんにも「眠たい街」として紹介されています。

しかし、都市と地方という2項対立的な考えではこの問題は解決しません。

東ドイツで500円のものが、西ドイツに行けば3000円になり、有名人がサインすれば10万円になるのが経済だと前述のヨーゼフも言っています。つまり本質は同じなのに価値が変わってくるといことです。

問題は対立項としてではなく、内包されたところにあることです。

地方は都市と同じようなことを考えてはいけません。

以前、某大学都市デザイン研究室にオブザーバーとして参加させて頂いた折「格差をなくすためにはどうしたら良いのでしょう」と問われたことがあります。

私は「格差は自由主義経済である以上存在します。格差を論じても埒があきません。個々の人間が経済的価値とは別の価値を見出す社会を創造することこそ必要なのではないでしょうか。」

「さらに行政がその価値創造とは反対に郊外のインフラを整備するのを止めて、私たちの予算はこれたけしかありません。そのためには、今ある現状を良くする為に使うと明言するべきだと思います」

と答えた記憶が甦りました。青森市で代表される「コンパクトシティ構想」そのものです。

100円しかなかったら100円で生活する知恵を考えるべきです。となりの水は甘いぞなのですから。

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