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2010年3月12日金曜日

渡航のすすめ 2


渡航のすすめを書いたあと、Sパパより若者達の意見として「日本の企業社会は海外留学実績を認めない」とありました。確かに企業内の言語を英語としようと検討しているサムスンの企業風土と日本のものは大違いです。

しかしながら一つお話申し上げるとすれば、私が人事採用の経験の中でとあるとき、某外語大を卒業した男性が「私は英語が話せます。海外留学をしたことがあります」と胸を張って面接に臨んできたことがあります。

私は「それ以外は何ができますか?」と聞き返しました。するとその子は困惑した顔で「普通自動車運転免許と珠算2級」と答えたのです。当然、落選でした。

つまり、その時の私は「英語が出来ることは確かに大きなアドバンテージ、ただ何をやってきたではなく、これから何が出来るか」をその面接で探っていたのではないかと思います。

企業では様々なスキルが求められます。企画を立案する上でのマーケティング分析力、論理力、人と交渉する際の会話術など様々です。英語はその中の一つにすぎません。

ある父母会での会話で娘さんが大学院の建築学科を出て就職先がないとこぼしていた親がいました。私はとっさに知り合いのお嬢さんのことを思い出しました。同じように建築の大学院を卒業しながらも引く手数多で、某建築会社に決まっています。もちろん思っただけでそのことは申し上げられません。

渡航のすすめは変わりません。渡航するべきです。ただ、海外留学とは別の何か光るものを身につけることをお勧めします。出来ればベクトルとしては対極にあるようなものが良いように思います。例えば茶道、華道、美術なんでも良いんです。胸をはって好きですといえるものを身につけることが強みになります。共感力すなわちこれからの人間に求められる大切な要素だと思うのです。いくつ国家資格を持っていても就職できない人も時折見かけます。そういう人にそこの共感力が足らないのではと思うこの頃です。


そんなことを考えながら、この古本を読みかえしています。唯物史観としてマルクス・エンゲルスを一羽一絡げにすることがありますが、エンゲルスそれはうすうす唯物史観の問題点に気づいていた節が見受けられます。

今の「リフレ」を標榜する経済評論家の多くは表にこそ出しませんが、マルクス経済学の影響を受けているのかなと感じるのは私だけでしょうか?

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