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2010年12月15日水曜日

光と影 宇沢弘文

人間というのはオールマイティであるはずがない。

どんなに立派な人で後世に残る功績を残していてもオールマイティではない。

日本の経済学者として第一人者である宇沢弘文氏にしてもそのひとり。

氏の自動車は不経済であるという理論は若い頃に読み、経済学に傾倒するきっかけとなった本である。もちろん氏のように電車も自動車も使わずジョギングで通勤することなどなく、結局、人間は「不経済」であるときめつけた輩であるのだか

もちろん、氏の公共経済に関する論述は日本刀のような切れ味で、つい膝を叩きたくなる秀逸な論述であることは皆さまも承知のとおりである。

しかし、しかしである。氏の教育に関する散文のような著作は戴けない。理想主義と経験主義を反復し、何らの解を見いだせないばかりか、大衆の理知を平坦な水盤に追いやる恐れもある。

教育とは個性である。個性を伸ばす方法は多種多様であればあるほど良い。平均化し、薄ぺったくなってしまったものは言語道断。

大教授といえども歳をとると視座の転換が必要です。

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