経済発展にはイノベーションが必要とシュンペーターは説いている。私もそう思います。
イノベーションに至るまでには多くの時間と苦労が詰まったものなのです。それをいとも簡単に持ち去られてしまうのが今問題となっているイノベーションのジレンマです。
後者は別として前社の形成の過程で問題になってくるのが、イノベーションの過程における顧客主義です。顧客主義といっても多くの場合はパワーユーザー(口うるさい顧客のことですよ)によってその流れを作らされます。そして出来た商品はマーケットのど真ん中に存在するのです。
日本の匠の技とはこういったマーケット追随ではない、作り手のポリシーの集まったものだったはずです。それが1970年頃より、アメリカというマーケットで売れている(実際には踊らされているだけ)に気を取られ、トヨタ方式だなどと威張っていたのは今となっては物悲しさを感じます。
一方では海外の自動車メーカーを見て下さい。水平対向エンジンは色々ありますが、ことフラット6といったら現在では数社しか製造していません。ポルシェはいくつかの別のエンジンも搭載しましたが現在では一部のSUVを除いて全てこのフラット6です。一方、この生みの親のメルセデスはとっくにフラットエンジンを捨ててV型に切り替えています。明確なメーカーの姿勢です。日本はもともとのよりどころがなかったのだから仕方ありません。
水平対向エンジンというのは、はっきりいってF1以外では強みを発揮します。F1はダウンフォースが必要なためエンジンしたのクリアランスをデューズしなければならないからです。一方、コンパクトに作ることが出来るためにリアエンジンやミッドシップが可能になるのです。ですから大柄のスーパーカーはエンジンの大きさゆえあれだけのガタイが必要になるのです。いっぽう、クランクシャフトの関係で振動は驚くほど小さいのです。エンジン音により相当の振動があると思われていたら大間違いです。エンジンの大きな振動はほとんどありません。こうして改良に改良を重ねられフラット6は1963年より48年間も生産されているのです。もう一台のゲレンデも初期型が1969年ですから、こちらも42年です。日本にこんな車があるでしょうか?
時代は変化します。ガソリンエンジンはなくなるかもしれません。でも、私達に残されたのはそんなに長い人生ではありません。マーケットのど真ん中の商品を手にして喜ぶより、エッジの効いた少し不便な魅力的商品を手に入れてはみませんか?心のドライサンプにオイルが潤滑するように全てのミドルエイジに喜びを持って・・・・写真はカレラ4のフラット6です
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