ゴルフ中継を見ている人ならアッと思ったことでしょう。
昨日の主催者が臼杵で19世紀から醤油を作り続けている会社であることはご存じの通り、その由来が分銅と初代の小手川金次郎の名前からとったものであることは以前も紹介しました。
今回はその一族から作家になった野上弥生子という人物についてです。
著作を読んだことのある人ならお分かりだと思いますが、この野上氏はかの漱石に薫陶をうけて作家になりました。
代表作「秀吉と利休」は今でこそこの二人を比較することは常識となっていますが、最初に単なる歴史小説に人間としての関わりや機微を切り取った力作でもあります。
私はそれ以外にもこの随筆集を読みましたが、時系列的に並べられ作者が今何に関心を持っているのか良く分かります。そしてその知識は驚くほどのものです。
文体や表現は違えど武田ゆり氏と共通するとてもしっかりとした芯を感じます。
当時、谷崎の作品を、「こんな御座なりを書くほか書くものがなく、また書けないのなら、断ってゆっくり遊んでいればよい」と文句をつけ、これじゃトーマス・マンは日本に出てこないわね、誰もやらないなら私がやらなくちゃと嘆いたというのです。
そうそう最初に人が人を食べる"カニバリズム"に挑んだのは武田泰淳の「ひかりごけ」だとばかり思っていましたが、この野上氏は「海神丸」の中でとりあげていました。うかつでした。
昨日、電車の中で芥川賞をとった女流文学者のRという小説を読みました。初めて読んだ時にはそのおりなす日本語の美しさに惹かれましたが、読み返してみると美辞麗句と完成さが逆に癇に障り、文章本来の力強さや簡潔さが心の中で強い欲求となったのです。
確かに芸術は全てを紡ぎ、完成させてそしてもう一度崩壊させるから美しいのです。文章も同じなのかもしれません。作り上げただけではダメなのです。そんな事を野上弥生子氏の文章から感じた訳です。
2 件のコメント:
爽やかな朝ですね。
この“フンドーキン”の柚子コショウ・・美味しいですよ。香辛料の完備しているスパーに置いてあります。私はあると買って置きます。塩・コショウした鶏肉(ささみを7割り位火を通す)のつけます・・・これ、ビールのツマミに最高ですよ・・・お試しあれ!!!
さすがSママ、九州の人しか知らないような逸品をご存じなのですね!!!
試してみます!!
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