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2011年3月10日木曜日

神の与えたもうし時間  読書 池澤夏樹 短編コレクション

時間という矢を神により自由に解き放たれし男は本を読む。ただひたすら本を読む。



アメリカの小説と違ってヨーロッパの小説は多くは歴史と宗教という参考書をヒモ解かないと中々中心には進めないことが多い、池澤夏樹 世界文学全集に収められる作品の多くもその類である。

しかし、例外も存在するそうカズオ・イシグロのような作家だ。彼はご存知のように日系イギリス人である。当初こそ日本の色を残した作品群であったが、次第に日本が薄れていって世界の色が強くなる。記憶の断片が虚構化し、自らを欺く手法は変わらないが其の世界観は二つの文化を背負ったものにしか表現が出来ない。

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