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2009年3月5日木曜日

ある犬のお話


今朝の朝焼けです。日の出は6時6分でした。

ある犬のお話

今から15年と3か月前にカンザスからカリフォルニアにやってきた、それはそれは可愛い犬がいました。カンザスを幼い頃より離れたのでカンザスなまりはほとんどありません。カリフォルニアの暖かい太陽の下で広い庭のある大きな家でのびのびと育てられました。家族はその犬をS君と名付けました。

しばらくすると仕事の関係でその家族は日本に帰国することになりました。その家の娘さんお二人はアメリカの大学や高校に通っていたので、一足さきに家族と帰国したS君は少しだけ大好きな長女と離れ離れになることが寂しかったです。

その後長女は無事に東部の名門大学を卒業し、次女も日本の大学に入学し、それぞれがそれぞれに大人になっていきました。

日本に来てからもS君の立ち振るまいは威風堂々として「ジェントルマン」そのものです。
他の犬にも教育を施し、人間にもただしっぽをふってなんでも言う事を聞くのではなく、己を持っているようでした。しかしながら犬の女性にはちと弱く、つい強気に出られると物陰に隠れてしまうような、シャイな一面も持ち合わせていました。

月日は流れます。ハワイのホテルに勤務していた長女の思いはいつもS君に「会いたい」でしたが、その長女もやっと日本に帰国する事が出来ました。次女も日本ではトップクラスのMBAを取得するべき勉強の日々が続いていましたが、いつもそこにいたのはS君です。

ご主人の二度にわたる大手術のときもS君は心配でしかたありませんでした。手術は成功しました。
家族が全員揃っている今のような時間がS君は一番幸せだと感じていました。

それとご主人からもらうデザート、この誘惑にS君は特別に弱いのです。

その彼も15年と3か月家族に見守られながら、まるで潮が引くように虹の架け橋に行ってしまいました。
大好きな大好きな長女に見守られながら。

家族に一杯一杯のこぼれるほどの幸せを運んできてくれたS君は最後に一言「この家に来られてよかった。ありがとう」といったはずです。

寝たきりになったS君をみんなで介護し、大好きなデザートももらって、そして最後に食べたのは鴨肉でした。最後まで尊厳を持って人間を見守っていたS君はしばらくだけ先に虹の橋に行ってしまいました。

私たちもいつかはそちらに行きます。しばらく先に行って「ジーニー」や「ボク」と会って私たちのことを笑って待っていてください。ありがとうS君 本当にありがとう・・・・・

2 件のコメント:

スコママ さんのコメント...

スコッチ君。puppyの頃はコロコロとしていて小熊のようでした。やがて、背が伸び、足も長くなり、青年になるとアメリカでは「Oh, He is gorgeous」と。日本では「威風堂々」と散歩道で嬉しい言葉を頂いた。
そのスコッチ君。主人一家の変動多かった15年間を彼の心情であるハーモニー精神で支えた。
今、彼がいないことを寂しく思う。
しかし、スコッチは死なない。スコッチはこれからも家族を支えてくれるのだ。スコッチは決して死んではいない。sパパ

saku1115 さんのコメント...

そうです。

彼が居たればこそです。

肉体はなくなっても永遠です。