ポール・ボルカー氏は邦銀の元要職にいたRパパの話では2メートルを超す大男で、いるだけで存在感のある男だといっていました。そのボルカー・ルールが先日発表されました。
簡単に説明すれば、銀行には今後、自社の利益のためにヘッジファンドやプライベートエクイティファンドを所有したり、それらに投資したりスポンサーになったりすることを認めない。自らの利益のための自己勘定取引も認めない。つまり、顧客へのサービス提供に無関係な業務は認めないというものです。
このボルカー氏例のBIS規制を発案した人だけに、骨抜きの法令だと言われて忸怩たる思いだったのでしょう。今度は本気のようです。しかし、中間選挙の前のこのタイミングでの発表は、景気回復していない国民にウォール街に暗躍するヒール役の「Greed」に鉄槌を下す正義の役回りの演出のような気がします。
規制自体の賛否は別として、問題なのはここでいう自己勘定取引がどのように証明されるのかといった実行上の問題です。結局この部分が不透明ならば法案は骨抜きになりますし、逆にきちんと整備されれば数百名のトレーダーは職を失うことになります。しかし、それ以前に逆風の議会で承認されるのかなと思います。
アメリカも同じです。政治の世界には駆け引きという魑魅魍魎が存在しているようです。
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