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2010年7月16日金曜日

直木賞 中島京子 「小さいおうち」


今年の直木賞を中島京子さんが受賞されました。おめでとうございます。

彼女は確かご両親も大学の文学部の教授をされていて、いうなればサラブレッドです。

彼女の作品は短編の「さよならコタツ」小説「イトウの恋」など代表作ですが、どれも読者に「ハッ」とさせるような題名を付けます。

今回の受賞作「小さいおうち」もそうです。



本の内容はこれから楽しみにしている人もいるので遠慮させていただきますが、私はこの本を読みながら新潟から東京に出てきて和菓子やさんで住み込みで働いていたある人のお母様とタブってしまいます。

2.26事件など私達が実際この目で見ていない近い歴史をまるで見たかのような錯覚で迫る彼女の文章は、「我々は知らないことを知っている」という認識論に深く通ずるものがあります。

戦争が近付いて、坂からかけ落ちるような世の中の不安感などまさにその域のことです。

そう考えると彼女の構築には必ず論理的公証があることに気づかされます。サラブレッドの所以かもしれません。

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