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2010年7月7日水曜日

ジョン・ロールズ John Rawls  アイザイア・バーリン Isaiah Berlin

先日、ハーバードの超人気講座のマイケル・サンデルについて、息子の言質からコミュニタリストと一言で片づけてしまったので、今日はそのことについて補強します。

サンデルの「正義論」を読むにあたって、私達は20世紀アメリカを代表する政治哲学者のジョン・ロールズを学ばなければなりません。彼はそれまで功利主義以外新たに理論的な柱を持っていなかった閉塞したその分野に貢献したからです。

そして、もうひとりこりロールズが参考にしたアイザイア・パーリンのことを知らねばなりません。

バーリンはオックスフォードで逝去していますが彼の「自由論」は自由には「消極的自由」と「積極的自由」があると述べています。前者はリバタリアンの原理である自己責任と政府の干渉を最小にするものです。一方後者は共同体の善を優先する一般意志に基づいて各個人が政治参加することを意味するものです。そうルソーの社会契約論とつながります。

ロールズは第2次世界大戦に従軍し、原爆を投下された日本の惨状を目の当たりにして士官への道を辞退します。彼の「正義論」の第一原理は自由に関する原理です。他者の自由を侵害しない限りにおいて自由は許容されるべきだと説き、基本的自由の権利 - 良心の自由、信教の自由、言論の自由、集会の自由などを含む - はあらゆる人に平等に分配されねばならないとしました。

ただここにおける自由とはいわゆるバーリンの消極的自由を指示しています。

第二原理.は、格差原理とも呼ばれるもので、社会的格差の存在そのものは是認しつつも、そこに一定の制度的枠組みを設けることが必要と考えました。自由以外の社会的基本財をどのように分配するかを示すための原理です。さらにもうひとつは機会均等原理と呼ばれるものです。同じ条件下で生じた不平等は許容されるというものです。

こうした原理により彼はバーリンの説く「自由論」の正当性を説明すると同時にこの正義の原理は、「原初状態」や「無知のヴェール」といった概念を用いた思考実験から導出されているため現実から乖離したものになっている危険性があったものを、普通の人間の正義感覚と比較検討してもなお正当性を失わないことという「反照的均衡」という彼の方法論に実際的な妥当性を付与しているのです。

そしてサンデルはそれをさらに推し進め、自由かつ合理的でない人々の場合の「正義論」つまり例外的状況下における「正義」についてもこの論を援用しているのです。

このような思想的系譜を考えながらねサンデルの授業を聞くとより興味が沸くことは間違いありません。

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