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2010年12月28日火曜日

村上春樹  内田 樹


内田樹先生のこの2冊の村上春樹論は村上春樹シンパの私としては大賛成であります。

1冊は最初の本にさらに肉付けした内容になっていますが、思考論理は一貫しています。

個人的には村上文学を一通り読みこんだ後、今度は春樹氏が訳している英訳本を読むことをお勧めします。内田先生が言っている「世界的」の意味が良く分かります。

閑話休題

先般、パーティの席上、商社志望の学生でさえ日本の大学生が海外に行きたくないという話が出ていました。その原因は海外留学組が歯車の一部や英語屋として軽んじられていることを、学生たちが薄々知り始めた事が一端ではなかろうかと・・・・・確かにその傾向は歪めません。

ただ、ふと思ったんですね。そのときこの村上春樹氏のことを・・・・彼の訳本を読んでいると単なる翻訳者としての本とは違い、小説家の矜持が感じられます。そして単なる筆者の統一的世界観を押し付けるのではなく、クラウドの現在にマッチしたパーソナルな原体験を感じさせる奥深さを持っているのです。

私など海外留学の経験はありません。だからとやかく結論は言えません。

もちろん社会人として海外に出る場合には企業人として海外に行くのですからそのバックボーンに日本を背負っているのは当然です。しかし、学生や研究者の中でもこの傾向が強く、本当に海外で何して来たのという輩が多い気がします。

極端な例かもしれませんが、海外に行っても日本人学校に通い、街中の危ない所には近寄らず、日本人とのみ接していたような人に海外の文化を観察できるのでしょうか?これじゃ目の悪い人がプールで目を開けた位の景色しか見えないのではないでしょうか・・・

結局、村上文学が出来るようになるまでの彼の長い緻密な分析と収集があったと感じるからです。

これと同様の事が日本文化史においても感じられます。西欧人の日本文化論は「基督教的」「一元的」と揶揄されることが多いのも事実です。しかし、それ以上に日本人の海外文化論はチープで薄っぺらです。それに比べて最近出版されたジョン・ダワーの「昭和」など俯瞰的に見事に歴史をとらえています。



何が言いたいの・・・そう、若い人はどんどん海外に出るべきです。そう、「村上春樹流」で・・・というのが結論です。

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