以前にもナパのザ・フレンチランドリーのことを記したことがありましたが、今回はもう一歩踏み込んで説明します。
実はこのアメリカではもっとも予約の取れないレストランとして有名なこのお店はオーナーシェフのトーマスケラー氏が率いています。
彼はこの他にもNYにはこの都会版としてペルセをオープンさせた訳ですが、こちらも予約の厳しいお店のようです。
何故私がこのトーマス・ケラー氏に興味があるかと言えば、このケラー氏は弟子を取る際には「フェルナン・ボアン」の本を読んでないものは取らないと書いてあったからです。
フェルナン・ボアンとはリヨン近郊で死ぬまで3つ星を守り続けたラ・ピラミデのオーナーシェフこと伝説の人物です。
私は個人的に辻静男氏を尊敬しています。フランス文化の片鱗もない東洋の片田舎の国に、彼はフランスのエスプリと料理を伝えたのです。その辻氏が絶賛していたレストランこそこのラ・ピラミデだったのです。
ジュリアン・サバランの「美味礼讃」(先日初版本を手に入れた)と共に辻氏は私の目指すフレンチの教科書なのです。
そしてこのお店こそ、食材の産地や旬を大切に考え、つまり食材としてのテロワールを獲得したものだからなのです。
例えば穴子の旬はいつだか分かりますか。
実は夏と冬2回あるのです。夏だけではありません。
夏の穴子は羽田沖でとれる江戸前穴子でさっぱりしていて寿司だねには欠かせません。一方、冬の穴子は脂がのり、これはまた美味です。しかし、この同じ穴子でも最適の料理法は異なってくると思うのです。
NYに行ったらペルセの予約に挑戦してみます。その前にワイキキのBLTで美味しいステーキとナパワイン、そして12月には京都「なかむら」が待っています。
食べることは生きることです。食べることを蔑ろにしたら人生味気の無いものになってしまいます。
美食家ではなく健啖家と呼ばれたいと思うこの頃です。
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