作家と言うのはなんと多くの抽斗を持っているのだろうと驚くことがあります。
村上春樹さんのエッセーを読んでいて、とにかくこの人の抽斗の数、種類は膨大な量です。
それと優れた作家の抽斗はこんな見方もあるのかと、その複眼的思考に関心させられます。
前巨人軍の長島監督が肉離れのことを「ミートグッドバイ」と言ったというのも、嘘がどうかは別として、長嶋さんならあり得ると思えるところがすごいのです。
実はこのエッセーの中に私がずっと思っていた事が描かれていたのです。
私が北関東に住んでいた少年時代、叔父の家は杉並にありましたので、東武線の浅草で銀座線に乗り換えて渋谷まできて、井の頭線に乗りました。
当時の銀座線は駅に停車する前にパタッと灯りが消えたのです。一瞬の漆黒の闇です。
村上氏はサウンドオブサイレンスの出だし"Hello darkness,my old friend"を口づさんだとありましたが、当時の私の英語力はそんなことが出来るはずもなく、ただ、パッと灯りがついた時にリセットされた感覚を経験していました。
それが現在の電車はずっと灯りがついたままです。村上氏はこの経験をしたことのある人と無い人では人生の暗転に関する覚悟がつまみ一つ半程違ってくるとも言っていました。
要するに日常の生活の中の何の変哲のない事柄も感性の扉次第で変わってくるということなのでしょう。
"Those who live in glass houses shouldn't throwstone"
どういう意味か知っていますか?
直訳はガラスの家に住んでいる人に石を投げつけてはいけない。
つまり、人を責めたり、非難したりする前に自分に弱みが無いか一応チェックした方が良いですよということです。
今週の標語にします。(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿